理事長挨拶

理事長あいさつ

NPO法人国際ボランティア21は、「日本とアジアの若者がグローバル社会に積極的に関わる機会を提供し、多様な背景の人たちと、幸せに生きる感性や能力をはぐくむこと」を使命として、「国際理解教育/開発教育」の実践をしています。

私たちはグローバル社会への備えがあるか   私たち日本人もようやく気づき始めた事実として、現在アジア・世界には、各国間に大きな経済格差があり、人間として最低限の衣食住・福祉・教育機会等 に恵まれない人々も数多く暮らしています。また、朝鮮半島情勢やテロの問題、豊かな自然環境の喪失など、地球規模といえる不安定要素・課題が存在します。 そして、これらの課題は、しばしば先進国といわれる国々、とりわけ私たち日本人のアジア諸国・世界との歴史的関わり、現代のライフスタイルのあり方が原因の一つとなっており、また、課題解決のカギを握っているという現実があります。

また、国内に目を向けてみますと、日本社会には現在200万人を超える在日外国人の方々が暮らしています。政治・経済・文化のグローバル化の波、少子高齢化社会に直面する日本社会の現状を考えれば、遅かれ早かれ、アジア諸国をはじめとする世界からの外国人労働者や、優秀で活力ある留学生の受け入れを進めざるをえないでしょう。2001年に国連人口部の発表によると、今後、日本が生産年齢を保つために毎年62万人の移民を受け入れ続けるが必要だろう、との統計もあるようです。

では、果たして、そのような来たるべきグローバル社会にたいし、我々日本人は十分な「備え」をしているのでしょうか。このまま、世界の諸問題を「他人事」として客観視することもできるし、日本に住む在日外国人の方々を「よそ者」として、壁をつくって暮らすこともできるかもしれません。しかし、それでは、日本社会はグローバル社会から取り残されるだけだし、日本社会の中で様々な軋轢・葛藤が生じ、それは日本人にとっても住みにくい社会となることでしょう。

逆にいえば、「世界の人・在日外国人の方々にとって幸せな社会を築くことが、日本人にとっても幸せな社会を築くこと」だと、積極的に私たちは捉えています。

日本とアジアの若者たちが手に手をとって   もちろん国の壁を超えることは簡単なことではありません。政治体制の違い・侵略や戦争による歴史的傷跡・先進国に優位な自由貿易など複雑な要因が絡み合っています。しかし、その中でも、最も本質的な壁となるのは、国・民族・宗教・文化・言語の違いによるコミュニケーションや相互理解の不足による誤解や偏見でありましょう。
したがって21世紀において、より平和な日本、アジア、世界を実現するためには、特に地球の未来そのものである各国の若者たちが、背景の違う相手を理解する努力をなし、共に暮らす仲間として手を差し伸べ、人類に痛みをもたらす問題の解決のために、建設的で具体的な行動をおこすことが何より大切でありましょう。

そこで、私たちは、国際ボランティア21を2004年9月に設立。日本とアジアの若者たちが考え方や行動様式をより利他的な方向へと変容でき、相互理解や国際協力に向かう気持ちを育むべく、「国際理解教育/開発教育」のプログラム開発に取り組み始めました。以来、試行錯誤を繰り返しながら、「対話 とService活動を重視した」現在のプログラムの形が効果的であることがようやく分かってきました。
国際ボランティア21の挑戦   国際ボランティア21は、より教育効果の高い「国際理解教育/開発教育」の開発・普及に努めると共に、国内外のNGO、市民団体、教育諸機関等と深く連携しながら、相互理解(対話)と助け合い(Service)によって発展し続ける、ダイナミックで魅力に満ちた日本、そして、公正で平和な地球社会の創出に挑戦していきます。

プロジェクトの主体として、サポーターとして、受け入れ機関として、多くの方々の協力によって、私たちもここまで続けてくることができました。末尾ながら、関係者の方々にこの場を借りて心から謝辞を申し上げるとともに、今後、良きパートナーとしてよりいっそう相互に発展していくことを願っています。
平成25年1月吉日 理事長 熊谷義光

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