こんな充実した留学生活を送っているOさんですが、日本で生活するにあたって、苦労した点はどんなところでしょうか。
「まず、日本人の他人との距離のとり方にカルチャーショックを受けました。」とOさん。日本人は自分のプライベートの空間をとても大事にしますよね。中国だと人と人との距離が近いので、少し寂しくなったといいます。
「物価の違いにも驚きました。中国では、大気汚染対策のため、バス代3円で北京内どこでもいけるんです。日本は交通費がだいたい10倍くらいかかりますね。
これには韓国人留学生の友人も驚いていました。」
そして、一番大変だったのが、外国人登録所が届くまでの約1ヶ月間、インターネットや携帯電話を使用することができなかったことだそうです。誰も知り合いがいない異国でネットも携帯電話も使えないとなると、ものすごく心細いですよね。
Oさんは、中国にいる間、日本人の留学生がなぜすぐにすいません、すいませんというのか不思議に思っていたそうですが、自分が留学生という立場になってみたら、その気持ちがわかったといいます。記者はその話を聞いて、私たち日本人が、慣れない環境で生活している留学生の不安、心細さを少しでも汲み取って、サポートしていかなきゃなとおもいました。
最後に、Oさんに将来の目標について聞きました。
Oさんは、どうやって文化を伝えるかという過程に興味があり、自分の文化を超えて相手を理解する異文化コミュニケーションにこれからも取り組んでいきたいと語ってくれました。
中国での反日運動が報道されたりしますが、テレビのイメージと実情は異なっている、とOさんはいいます。「テレビなどのイメージだけにとらわれるのではなく、実際にひととひとがコミュニケーションすることが、相互理解のためには重要なことなのだとおもいます」
Oさんのように、留学生という立場から異文化コミュニケーションに携わってくれる人のお話はとても参考になりました。